NBA FAN's-GYM

NBAについて主観的に語ると共に、ダイエット法もご紹介。(旧:NBA選手 ニュース)

現代NBAの象徴、GSWの技術革新

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<現代NBAのブームとは>

1990年代、日本ではジーンズなどのカジュアルなファッションスタイルが流行り出し、音楽業界やスポーツ業界のファッションにも注目が集まった。
 
2000年代に入ると、インターネットの普及によりファッションの多様化が進み、個々が様々なファッションを楽しむようになった。
 
昨年の流行語では、『神ってる』や『アモーレ』などが選ばれているが、アモーレなんてイタリア語のごく普通の単語じゃないか。と、思われるかもしれない。しかし、その発言時の状況や人物など、様々な背景があり、ごく普通の単語ではあるが、人々に印象付けることとなったのだろう。
 
時代の流行りというのは、必ずしもあるもので、そこにはその時代の経済状況や心理状況が関連し、人々の心にグッとくるものがあるのだろう。
 
それと同様でNBAでの戦術にも時代を彩る流行りがある。
現代のNBAを象徴する流行戦術として、『スモールラインナップ』や『ストレッチ4』が良く目立つようになった。
 

<戦術、ストレッチ4とは>

ストレッチ4とは、バスケットの戦術の一つで2000年頃に生み出された。
 
どういう戦術なのか説明すると、インサイド寄りのパワーフォワード(PF)と呼ばれる4番目のポジションの選手が、アウトサイドへ広がる。それによって、ディフェンスを外へ誘き出し、インサイドにスペースをあける戦術のことである。
このように、4番の選手がディフェンスを外へと広げるので、ストレッチ4と呼ばれている。
 
ストレッチ4は、コーナーでインサイドアウトからのアシストを受け、3Pシュートを打てるのも特徴だ。
 
現代のNBAでは、この戦術が大流行しているので、インサイドの選手でも3Pを狙う選手が多くなった。
例えば、HOUのライアン・アンダーソン、CLEのケビン・ラブ、同じくCLEのチャニング・フライ、DALのダーク・ノビツキー、LACのマリース・スペイツ、NOHのアンソニーデイビスやデマーカス・カズンズなど。
 
また、元々、インサイドでのプレーを得意としている選手でもロングシュートの強化を行うケースも増えてきている。
LACのブレイク・グリフィンも今シーズンから3Pを打ち出すようになった。
MEMのマーク・ガソル、SASで活躍する兄パウ・ガソルもそうだし、TORのサージ・イバカも3Pラインの外側までシュート範囲を広げてきた。
 
3Pを打てるビッグマンは、今のNBA界では必要条件になりつつある。
 

<価値が高まるストレッチ4とスモールラインナップ>

なぜ、現在のNBAではストレッチ4戦術に必要となる選手が増えてきているのか、言い換えると、なぜ、背の高い選手がアウトサイドシュートを多用するようになったのか。
これは、2シーズン前の2014-2015にGSWが優勝したことが大きく関わっているのではないだろうか。
 
GSWは、スティーブ・カーHCが率いるアップテンポなスモールバスケットを展開している。
その中にスプラッシュブラザーズと呼ばれるステフィン・カリー、クレイ・トンプソンというガードコンビがいる。
彼らはチームの中心選手で、彼らを筆頭にチームが3Pで得点を積み重ねていくスタイルを貫いている。
 
パワーフォワードの4番ポジションにはドレイモンド・グリーンを起用しており、身長はパワーフォワードというポジションでは小柄な2.01mである。
 
当時のセンターは、アンドリュー・ボガットだったが、そのボガットをワンセンターとして起用していた。
 
GSWは、良いディフェンスからオフェンスに繋げ、速攻の場面を多く作る。
もし、セットオフェンスになったとしても4人がアウトサイドに広がっている為、ピック&ロールで十分なスペースを使って攻めることができる。
そこからさらにワイドオープンの選手にパスを捌き、3Pを狙うシーンも多々ある。
 
それまでは、アップテンポなバスケットでNBA制覇を成し遂げることが困難と思われていたが、GSWはこのシーズンで最後まで自分達のプレースタイルを貫き通し、見事、優勝を果たした。
 
私が思うに、これがきっかけで近年、スモールラインナップが主流となったり、ストレッチ4の価値が高まってきたのではないかと考える。
 
 

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<NBA制覇による技術革新>

NBAでは、優勝チームのプレースタイルがブームとなることが多々ある。
一時代前だと、強固なディフェンスを求めるチームが多かった。
鉄壁な守りで最少得点に抑えることで優勝に大きく前進できるというスタイルだ。
現に優勝チームは、デフェンディングチャンピオンと呼ばれていた。
 
印象的なのが、2007-2008年にBOSがポール・ピアースケビン・ガーネット、レイ・アレンというBIG3を結成し、ディフェンスに重きを置いて競り勝ったシーズン。
 
この翌年は、LALが失点を最小限に抑えるディフェンスをみせ、見事、デフェンディングチャンピオンに輝いた。
 
当時のSASもそうだが、ディフェンスへの意識は相当高まっていた。
 
CHIがマイケル・ジョーダンを率いて優勝してから12年間、プレイオフにすら出場できなかったり、出場できたとしても1回戦敗退という結果が続いていた時期があった。
しかし、デリック・ローズをエースとして2010-2011、ようやく、13年ぶりにカンファレンスファイナルまで勝ち進むことができるチームになった。
このシーズンのCHIのHCが、2007-2008BOSを優勝に導いた際、ディフェンスの指導を担当していたトム・ティボドーHCだった。
 
そう考えると、やはり、どのチームもディフェンスに対する意識は相当なものだった。
 
2007-2008のBOSの話に戻るが、この年のBOSは、フランチャイズプレーヤーが同じチーム内に3選手集まってプレーをするというブームも巻き起こした。
 
当初は、スーパースターが3選手揃えば、チームケミストリーが悪くなり、衝突したりプレーが噛み合わなくなったりするのではないかという不安もあった。
しかし、ある程度の経験を積んでいた3選手は、衝突することもなく、ボールをシェアして上手く連携を取れていた。
そして、BIG3結成1年目にしてすぐに結果に結びつき、NBA制覇を成し遂げた。
 
これにより、数年後にはMIAでドウェイン・ウェイドレブロン・ジェームズクリス・ボッシュとスーパースターが集結するチームが出現した。
現在では、CLEのカイリー・アービングレブロン・ジェームズ、ケビン・ラブというスーパースターのBIG3が存在する。
 
私は、このようにNBA制覇を成し遂げたチームがNBAのプレースタイルを作り上げる傾向があると感じている。
 
そして、何年かに一度、別のプレースタイルを貫き、NBAに革新をもたらすチームが出てくることで、NBAの新たな時代が幕をあけることになるのだ。
 
ストレッチ4やスモールラインナップブームを巻き起こしたGSWは、現代NBAを象徴するチームに相応しく、ビッグマンのプレースタイルまでも覆した、まさに、バスケットボールイノベーションの成功者ではないだろうか。